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  • 2008年11月04日 17時09分更新

ネット金融 -インターネットがもたらした3つの変化

前回ネット金融の究極の姿とは何かについて取り上げたが、そもそもインターネットによりもたらされた変化とは何だろう。これまで、多くの研究がなされているが、今回は以下を参考に、「デジタル化」、「ネットワーク化」、「自動化」の3つについて注目してみる 。

①デジタル化

 デジタル化によって、情報はデジタル信号化され、技術的には完璧な情報の複製でき、追加的な一単位の作成が品質の悪化と関係なく、かつその費用もほとんど無視できる。すなわち、コンピュータの普及とインターネットの拡大はデジタル財の限界費用をほぼ0にしたのである。

 デジタル化は、情報のほぼ無制限の記録と、その膨大な中からの検索を容易にした。しかし、人間の認知限界により情報量の増加の一方、個人は一定量の情報しか処理できない。また、多様な情報をすべて管理できる能力も同様に説明できる。その結果、情報を本当に必要としている人にとっては低いコストで大量の情報を得ることができ、情報の非対称性を緩和することができる。その一方で、情報を得ようとしない人やできない人との差が広がり、情報の偏在、あるいは情報の非対称性の程度を急激に増加する恐れもある。

②ネットワーク化

 インターネットにより、世界中にコンピュータネットワークが張り巡らされた。これにより時間と空間の壁が薄くなり、グローバル化だけでなく、これまでの物質市場に加えて空間市場を成立させた。空間市場では、物質市場と異なり、売り手と買い手が同一時間・同一空間で取引を行う必要はなく、同一時間・同一空間でない取引を行う市場システムが成立した。そこでは、ネットワーク上で受発注してモノは物流で届ける物財だけでなく、ネットワーク上で取引が完結するデジタル財や、取引の仲介などを行うサービス財の3つの取引財がある。

 また、ネットワーク化は情報の双方向性や、いつでもどこでもネットワークでつながるユビキタスを推し進めた。更にはより多くの人によりリッチな情報を提供できるという、リーチとリッチネスのトレードオフ関係を弱める効果をもたらした。

 そして、ネットワーク化の最大の特徴として、ネットワーク効果がある。これは、経済学におけるネットワーク外部性がもたらす効果であり、潜在的な顧客にとっての物やサービスの価値が、既にその物・サービスを利用している顧客の数に依存することである。具体的には、より多くの顧客が物・サービスを利用するにつれてその物・サービスの価値が増すのである。

③自動化

 最後に、インターネットの電子的なプログラムによるコーディネーションの補完という側面である。言い換えれば、「コーディネーションの電子化」である。インターネットの進歩は、人、財、組織のコーディネーションを電子的なプログラムを通じて補完できることから、コーディネーション・コスト(coordination cost)を大幅に削減できて、より正確なコーディネーションが可能になる。要するに、これまで人が行ってきたより複雑な作業を自動化することができるようになったのだ。

 その結果、今までは機械、あるいは人による特化を通じてコーディネートされたシステム(coordinated system)が、より簡単かつ標準化された状態でできるようになった。また、コーディネートされる部分の組み合わせの自由度も増加され、これまでは不可能であると認識されたコーディネーションも可能になった。

 これは、製品だけでなく組織もより特化した形に分化し、組織の階層組織を崩した。これによりビジネス階層の分化をもたらした。

 この自動化は人の働く上で、機械による単純作業を超えて、多くのより複雑なコーディネートする作業をも奪った。そのため、情報を単に集めたり並べ替えるのではなく、ある新しい意味を持たせた知識を生み出す作業に多くの力を注ぐことができるようになった。


このように、①デジタル化、②ネットワーク化、③自動化により金融も大きな変化を受けた。それがサービスとして融合しネット金融としての姿に変質していったといえる。
次回からは、個別にインターネットのもたらした変化に注目し、考えていきたい。

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